スピリッツの樽熟成

本日は中迫が担当させていただきます。

最近少しずつ暖かくなってきて冬場とは違った意味合いで起きるのが辛くなってまいりました。

とはいえ昼と夜の寒暖差はまだまだ厳しいので体調管理には気をつけたいものです。

 

 

一般にウイスキーやブランデーは樽熟成を経て出荷されています。

樽熟成と一言に言っても実は未だ熟成のメカニズムは解明されておりません。

わかっていることを大雑把に説明いたしますと

「樽の香味成分が透明の原酒と反応しあい独特の風味や香り、色を付ける」

ということ。

ポリフェノールやリグニンといった成分が溶け出し・・・云々といった話はややこしいので割愛しますがいずれにしてもブラウンスピリッツの味や香りの大部分を占めるファクターです。

※ブラウンスピリッツとは木樽熟成工程を経た褐色のスピリッツ(蒸留酒)をさします。

元々樽熟成は密造酒から生まれたといわれております。

スコットランドがイングランドに併合された際、財源確保の為に多額の酒税を課しました。

そこで各地で密造酒を製造し手近にあったシェリーの樽に隠し徴税から逃れようとしたのです。

ある時樽をあけてみると無色透明だったウイスキーには琥珀色が付き香りも味も素晴らしいものへと変化していたのです。

 

このあたりからスピリッツの品質は飛躍的に向上していきます。

現在では多数のモルトウイスキーはアメリカンホワイトオークの樽で熟成されております。

このことにも理由があり、アメリカには潤沢な資源があることに加えバーボンウイスキーの製造法がかかわってきます。

バーボンウイスキーは新樽のホワイトオークで熟成されたものでないといけないと法律で定められております。

その為一度熟成に使用した樽は使用できなくなります。

それに対しスコッチはほとんど新樽は使用されません。

新樽を使用すると熟成過程で苦み成分等の不要なものまで含んでしまうこともあり二番樽、三番樽を使用します。

ここで新樽のバーボンと二番樽以降のスコッチで利害関係が生まれます。

また、ここでシェリー樽を使うかバーボン樽を使うか・・・etc

樽によってさまざまな味わいの違いが生まれます。

シェリー樽でも、「フィノ」、「オロロソ」、「アモンティリャード」など全く味が異なっていきます。

 

ブラウンスピリッツに欠かせない樽熟成。

意識して飲んでみるとまた新しい発見があり面白いかもしれませんね。

 

 

小ネタといたしましてスピリッツの一つである焼酎。

焼酎には実は樽熟成を経たものはあまりありません。

これには理由があり光量規制(着色規制)と呼ばれる通達があるため。

樽熟成焼酎はウイスキー等に比べ光の透過率(透明度)を10%以下に抑えなければなりません。

透明度を下げるためには濾過が必要になりますがその過程により様々な成分も取り除かれてしまいます。

5年熟成焼酎なのもありますが色合いは非常に軽く透明度も高いのはそのためです。

いつか規制がかわり10年以上熟成の濾過していない焼酎を飲んでみたいものです・・・。

アードベッグ10年

夕方、日が長くなってきて

春はそこまで来ている感じがします。

今回は田原が書かせていただきます。

周年イベントでキャンペーンをさせていただきましたアードベッグ10年。

そのままの価格で通年させていただくことになりました。

 

アードベッグを知らない方からしたら

飲んだ瞬間になにこれ?!となるくらいスモーキーで

ヨード臭の強いウイスキーです。

スコットランドのアイラ島という地区の特徴で

よく保健室を思い出すとか正露丸、注射の…とか

色々な表現をされます。

ですが一度飲んでみて「え!」となっても

怖いもの見たさではありませんが

後日もう一度飲んでみようかな?となったりしたら…

つぎ飲んだ時には癖になってきております。

そしてこれにハマると

こういう風味がないと物足りなさを感じるほどです。

 

年に一度そのアイラ島で

アイラウイスキーフェスティバルが開催されます。

日替わりで各蒸留所のオープンデーがあり

今年は5月31日に「アードベッグデー」というイベントが行われます。

その日は毎年限定発売のウイスキーが登場しますので

ぜひご注目いただけたらと思います。

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オールドボトルコーナー

今回、田原が担当させていただきます。

当店バックバー左のバーボンとスコッチの境目あたりに

オールドボトルコーナーを設けております。

全てを並べるにはスペースが足らず

と言っても少量しか在庫はございませんが…

常時1~2本くらいを並べております。

またリキュールの棚にも数本旧タイプのものが置いてございます。

懐かしの味わいを感じていただけるオールドボトル。

味わったことのない方には

昔の味はこんな味だったともお楽しみいただけます。

ウイスキーはワインと違い

瓶内熟成をしないと言われ続けておりましたが

実は僅かながら熟成しているというお話があります。

多少は味が変われど昔の味わいはいいですね。

現在は旧J&Bと現行J&Bを並べて置いており

飲み比べ等お楽しみいただけます。

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タリスカー10年再び

本日は中迫が担当させていただきます。

ご好評をいただいております17時から19時限定ボトルキープキャンペーン。

タリスカー10年からスタートしオールドパー12年へ切り替わり、再びタリスカーのキャンペーンとなりました。

前回のタリスカーキャンペーンは夏ごろということもありソーダ+ブラックペッパー(通称タリソペッパー)でお楽しみいただくお客様が多数いらっしゃいました。

さすがに寒さも厳しくなってきたこともあり現在はお湯割り+ペッパーをお勧めいたしております。

ソーダと比べペッパー感を強く感じ体の芯から温まるかと思います。

お好みでクローブ(丁子)やシナモン、柑橘を加えても美味しくお飲みいただけます。

ちなみにこちらは通称「タリほっ・・・ペッパー」と呼んでおります。

舩戸さん考案のネーミングですので当店でしか通りませんが・・・。

 

タリスカーと言えばスカイ島。

同じくスカイ島生まれのリキュールドランブイ。(現在はスカイ島で生産している訳ではないようですが・・・。)

こちらを合わせ「タリスカー・ラスティ・ネイル」もご好評いただいております。

度数はかなり高めのカクテルですが甘口ですのでスイスイとお飲みいただけます。

また、ラスティネイルをお湯割りにしてみても面白いかと・・・。

ちょっと度数を下げたい・・・という方には「セント・アンドリュース」というカクテルがおすすめでございます。

こちらはラスティネイルにオレンジジュースを加えたようなレシピです。

またちょっと酸味を加えたい場合レモンジュースを加え「ボニー・スコット」はいかがでしょうか。

加えスコッチウイスキー、ドランブイ、オレンジビターズ、レモンピールで「スコッチ・キルト」というカクテルにもなります。

勿論タリスカーに限らずお好みのウイスキーでお楽しみいただけます。

セント・アンドリュース、ボニー・スコットはシェイクしてカクテルグラス。

スコッチ・キルトはステアしてカクテルグラスが正式なレシピですがラスティ・ネイル同様ロックグラスでゆっくりと楽しむのもおすすめです。

 

前回と同様タリスカー10年は時間限定5,000円にて御提供させていただいております。

タリスカー・ストームも並行してキャンペーンを行っておりますので宜しくお願い致します。

 

 

シーバスリーガル ミズナラエディション

今回は田原が担当です。

シーバスリーガルに新たなラインナップが増えました。

 

みずなら

ミズナラエディションと名のついた今回のリリースされるシーバスリーガルは

和樽であるミズナラ樽で後熟されており

風味に深みとマイルドさを加えております。

ミズナラ樽と言えば山崎を思い出すかたもみえるかと思いますが

もともと太平洋戦争で海外から樽の輸入ができないときに

国内で入る木材(ミズナラ)で樽を組み

熟成に使ったのがきっかけとされます。

 

今回はマスターブレンダーのコリンスコット氏が

日本人の味覚に合わせた全く新しいブレンドでのシーバスリーガルをと

日本のみに販売されるミズナラエディションです。

 

天使の分け前

ウイスキーの樽熟成過程で蒸発によって年に3&~5%ほど気化していくことを「天使の分け前」とよんだりします。

先日お邪魔した山崎蒸留所も熟成庫ではむせ返るようなウイスキーの香りに包まれていました。

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4月13日、スコットランド、グラスゴー近郊を舞台に失業中の若者たちを主人公に描かれる映画「天使の分け前」が公開されました。

早速見てきましたが、数々のウイスキーが登場し思わず飲みに行きたくなってしまいました。

スプリングバンク32年、クラガンモア、ラガヴーリン16年、そして聖杯モルトミル・・・

(モルトミル蒸溜所は、ラガヴーリン蒸溜所敷地内(現在のビジターセンターの位置)にもうひとつあった小さな蒸溜所である。生産量はラガヴーリンの1/5程度と少なく、シングルモルトとしてボトリングされたことはないため、ほぼ「モルトミル」というボトルは現存しないと言われている(現在3本あると言われているものの2本は偽物という説が一般的)。実際には樽も存在し得ないのだが、その幻の樽が見つかったという設定なのである。)Wisky Magazineより。

蒸留所としてはバルブレア蒸留所、グレンゴイン蒸留所、ディーンストン蒸留所が出てきます。

そこまでウイスキーをメインとした映画ではないですが、お好きな方には思わずニヤリとする場面もちらほら・・・

専門知識も必要なくコメディタッチの映画ですので人も選ばないのではと思います。

クライスすぐそこのミリオン座でもいつまでかはわかりませんがまだ上映しておりますので映画をご覧になったあとでクライスでウイスキーを一杯いかがでしょうか?

スプリングバンク32年やモルトミルは残念ながらバックバーにはありません・・・Web